読書狂いはドラマチック症候群

これもぜんぶ本が好き過ぎたせいだ。「物語の主人公のような“普通の生活”」を求めて生きる、ドラマチックが過ぎるわたしの日常ブログ。ヒロインになるための人生珍道中をお届けします。

心の隅に親友を。上橋菜穂子の『物語ること、生きること』

こんにちは!ノリです!

 

昨日は今年初めてのカフェに行きました☕️

 

行き先はもちろんスタバ。 

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  年始に胃腸炎になってからずっと食欲がいまひとつでしたが、

やっとコーヒーを飲んだり、こういうちょっとやんちゃな食べ物を食べても平気になりました😼いえい

 

日々を楽しむためには、やはり健康があってこそですね。(しみじみ)

 

 

 

さて!

今日は上橋菜穂子さんの『物語ること、生きること』を紹介します📗

 

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の前に、まずは上橋菜穂子さんについてちらっと説明。

 

上橋さんは、綾瀬はるかさん主演でドラマ化された精霊の守り人シリーズや、アニメにもなった獣の奏者など多くのファンタジー作品を書いている作家さんです。

 

ファンタジーが好な方はもちろん、ファンタジーはそこまで・・・って方でも読めば絶対にハマります!

これくらい熱をもってオススメできます😤✨(興奮)

 

上橋さんの作品は、架空の生き物や異世界がたくさん出てくる壮大なストーリーばかりですが、圧倒的な描写力で情景や登場人物を描いているので、ちっとも嘘っぽくありません。

主人公の住む家のほこりっぽさとか、朝露に濡れた草のにおいとか、登場人物の感じている寒さや痛みとか、

全てがリアルで、読んでいるうちに主人公と一緒に旅をしている気分になるんです。

 

どの物語もあまりに面白いので、書店やネットを駆使してかき集めた上橋さん作品を読み終わるまで、文字通り「読書中心」の生活を送っていました🚀

 

寝ても覚めてもエリンのことを考えていたし(獣の奏者の主人公の名前)、

仕事中のモチベーションは「これが終われば本の続きが読める」だったし。

最後の1冊を読み切ってしまうのがつらかった。(だから2周した)

 

 

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・・・と、前置きからすっごく長くなってしまいましたが、

 

 『物語ること、生きること』は、そんな素晴らしい物語を生み出してきた上橋菜穂子さん自身の生い立ちから作家になるまでのエピソードをまとめた本なのです!

 

 

じつは私、『物語ること、生きること』を読むまで、上橋菜穂子さんのことを知りませんでした。

当然、上橋さんの作品も読んだことがありませんでした。 

 

だからどうしてこの本を手に取ったのか、きっかけをよく覚えていないんです。

たぶん「どうしたら作家になれますか?」っていう帯に書かれた文字を見て、

「これを読めばなにかヒントがあるのかも」って思ったからだと思うんだけど・・・。(当時「私も小説書くぞ」熱がぐんぐん上がり始めたころだったのです😽)

 

 

物語を書いているときは、馬車を走らせているような気がすることがあります。私の周りに、たくさんの荒馬がいて、懸命にたづなを操って走らせているような気がするのです。

 

『物語ること、生きること』講談社文庫 はじめに 冒頭より

 

語り口調が優しくて楽しげで、「あぁなんかこの人のこと好きかも」なんて思いながらさくさく読み進めていました。

上橋さんが「強さへの憧れ」で、パワーリストをつけて通学していた話や自分の部屋で友人から譲り受けた竹刀で突きの練習をしていた話を読んだあたりから、「あれ、上橋さんに何か自分と似たものを感じる・・・」と勝手にシンパシーを抱き始めていました。

私も小中学生のころ、自作の刀をマンションのバルコニーでひたすら振っていた時期がある・・・今まで誰にも言ったことないけど。(白状、そして恥)

 

 

 

私が上橋菜穂子さんを心から好きになる決定打となった言葉があります。

 

私は、幸せな子どもでした。でも同時に、だからこそ、自分は、作家にはなれない、なる資格がないんじゃないかと、ずっと思っていました。

本はすごく好きだったけれど、自分で何かをする実体験が浅いことを、ずっと気にしていたのです。へんな話、高校時代に、不良っぽい友達から「このあいだ、ハコ乗りしちゃってさあ」なんて話を聞くと、自分も、こういうことを経験すべきじゃないかと焦燥感に苛まれました。

 

『物語ること、生きること』講談社文庫 十五歳のノート より一部抜粋

 

幼い頃から、愛情も生活環境も必要なものすべてを与えられて育った私。

それは間違いなく幸せなことです。

それなのに、ふとそんな自分に不安を覚えることがある。「ない」ことではなく「ある」ことを嘆くなんて、とてもごうまんなのは分かっていても、常に与えられている環境で育ったからこそ、本当の意味で「欲しい!」と渇望する力、それを手に入れる力が自分には足りないと思っていたし、私の「想い」にはなんの説得力もないと感じていました。

そんなふうに悩んでいながらも、「この環境から抜けたら大変だろうな」と甘えてしまう自分が嫌いだったんです。

 

だから、上橋さんもかつて似たような気持ちを抱いていたこと、そして自分の弱い部分やちょっとずるい部分を一切飾らず素直な言葉でお話していることが、とても魅力的で一気に心を掴まれたのでした✨

 

 

いつまでも「夢見る夢子さん」でいたくないのなら、物語のなかで旅をするんじゃなくて、靴ふきマットの外に飛びだして、本当の旅に出るしかない。(中略)物語を読んでわかった気になるんじゃなくて、異国に行き、異文化の日常を生きている人々と同じ状況に、自分を置いてみよう。

 

『物語ること、生きること』講談社文庫 その一歩を踏み出す勇気を より一部抜粋

 

 

上橋さんは作家でありながら、文化人類学者としても活躍されています。

 

本当は「面倒くさがりで、新しいこと、怖いことも、できることならしたくない」と思っていた上橋さんですが、大学で文化人類学を学ぶことに決め、フィールドワークで訪れたさまざまな異国の地で、異文化の中にみずから入っていった経験が、今の作家としての活動にもつながっているのだそうです💡

 

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結局、自分が納得できる生き方をしているかどうか、それが物事を測る基準なんじゃないかなと思います。

 

本やテレビで他人の冒険を追体験して、それで自分が満足しているのなら、きっとその生き方は間違っていない。

 だけど、もし、心の中の自分が「何もしないままでいいの?」と問いかけてくるのなら、今すぐ家を飛び出すしか自分自身を納得させる方法はないのですよね。

 

自分の生い立ちや身を置いている環境、ましてや他人の目なんて関係なくって、

どんな場所にいようと何をしていようと、自分が納得していないのなら、自力で変えていくしかない。

 

 

アニメやマンガで、すごくいいとこのお嬢様が「だれも私の気持ちなんてわかってくれないんだわ」って嘆いているのをみると、

私は「なんてごうまんな!」と思っていたけれど、今ならその気持ちがよくわかります。

 

だけど結局、嘆いているだけでは全く意味がない。それこそただの傲慢です。

 いま自分が立っているところから、いかに進んでいくか。

他人の目からではなくて、自分の目で、いま自分が立っている場所を確認して進んでいく。

自分の人生なんだから、他人任せにしちゃいけませんもんね!😼

 

 

「いまのままの自分でいい理由」を探してしまえば、容易に逃げ道は見つけられます。

それで納得できるのなら、そのほうがラクチンだけど、若くて元気なうちは、ちょっとくらい無理したっていい。もちろん、たまには休んでもいいし、逃げたっていい。

でも元気になったら「靴ふきマットの上でもそもそしているな!」、自分を鼓舞して一歩踏みだしてみる。その一歩が、きっと進むべき道を教えてくれるはずです。

 

『物語ること、生きること』講談社文庫 その一歩を踏み出す勇気を より一部抜粋

 

 

私はこの本を読んだ瞬間、上橋菜穂子さんと親友になったような気がしました。

 

会ったこともなければ、とうぜん一緒にお話ししたこともないけれど、

 私が部屋でくさくさしているとき、この本で出会った上橋さんの言葉が「甘えてんじゃない!」ってお尻を叩いてくれるんです。

 

 

この本は、間違いなく私の人生の一冊です。 

 

きっとこの先も何度も読み返して、そのたびに、私に前へ進む力を与えてくれることでしょう。

 

とても素敵な一冊です。

みなさんもぜひ読んでみてください☺️

 

物語ること、生きること (講談社文庫) [ 上橋 菜穂子 ]

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感想(1件)

 

 

ではまた!